チベットと高山病

以前「関節リウマチと高山病」について書いたことがあるが、このたび最高高度を更新したので再度取り上げてみる。

待望のチベット

夏休みにチベットに行ってきた。

夜、中国の西寧(2275m)から青蔵鉄道に乗車、青海省とチベット自治区の境界となるタンラ峠(5072m)を越え、22時間かけて終着駅のラサ(3600m)へ。

結果から述べると、5000mでも関節の腫れや痛みはまったく無し!

恐れていた高山病 on 青蔵鉄道

だが、4000mを越えたあたりから恐れていた高山病で、私は二日酔いのような吐き気、ダンナは吐き気と下痢で、車中ほぼ寝たきりに。

鉄道の中は高山病対策で壁から酸素が吹き出しているが、どうやら寝ている間に呼吸が浅くなり、血中酸素濃度が下がったようだ。

4人部屋の寝台車のコンパートメントをシェアしたのは50-60代の中国人のご夫妻で、私たちが昼になっても何も食べず寝ているとジェスチャーで「食べなきゃ元気が出ないよ」と大きな梨をくれた。

が、その奥様も夕方にはダウンし、4人中3人がため息をつきながら寝転がり、ときどきトイレに駆け込む状態だった。

チベットで受けた治療

ラサに到着後、現地ガイド(中国人)の勧めでホテルで医者に診てもらったところ、血中酸素濃度が75%前後、心拍数も通常よりかなり高め。
(平地で通常100%、高地で85%あればOKで、80%を切ったら治療を検討すべきと現地ガイド。)

二人とも酸素吸入と点滴をしてもらい、だいぶ回復。

高山病は翌日には順応して回復する人が多いそうで、酸素吸入しても一時的に良くなるだけ、順応するまで酸素を吸わないほうがいい、という意見もある。

ただ、我慢しすぎて重症化し、飛行機で高度の低い都市まで移動が必要となったり、亡くなる人も毎年いるようなので、ここは大人しく現地の医者の判断に任せることにした。

私たちが体験した主な症状

翌朝からゆっくりペースで観光したが、翌々日になってもダンナは下痢が止まらず食欲もないまま。私が支えて歩くような状態で、再受診。

酸素濃度は78%で酸素吸入&点滴。
私は88%で、高地順応できているようだった。

だが、私はその翌日あたりから下痢になり、結局帰国までお腹に爆弾を抱えた状態に…。ポカリスエットの粉末を持って行って良かった…。

「高山病=頭が割れるように痛い」というイメージだったのだが、まさか消化器系がやられるとは。
(酸素が足りないと消化できなくなるらしい。当初食中毒も疑ったが、食事内容からして可能性は低い。)

出国前処方してもらったダイアモックスという高山病の薬を服用していたのだが、
現地ガイドいわく「ダイアモックスは頭痛にしか効かない」。

確かに乗車前日から服用していたせいか恐れていた頭痛は出なかった。
西寧の現地ガイドから買った「紅景天」という漢方薬(カプセル)も飲んでいたが
これがどう作用したかは不明。

治療の費用

酸素吸入+点滴+4回分の飲み薬(+医師の出張費?)は1回1人 2300元(約3万8千円)だった。

泊まったホテルのロビーには高山病の医者が常駐していたが、ガイドが部屋に連れてきたのは「軍のお医者さん」というわりには柔和で小太りな30代男性で、点滴の間はスマホをポチポチやっていた。

出会ったばかりのガイドと医者に「3万8千円」と言われ、疑い深い私は金額の妥当性が判らずモヤモヤしたのも事実。
海外旅行保険に入っていたとはいえ、医療費がとんでもなく高い国じゃなくて良かった。(後日保険会社に領収書などを送り、全額補償していただきました。)

なお、支払は現金のみ。
手持ちの中国元が足りなかったため、日本円をガイドの手持ちの元と両替してもらった。ダンナが2回目の治療を受けるときはその日本円すら足りず、中国銀行ATMでクレジットカードの海外キャッシングを利用した。

感想

私たちは個人旅行(外国人観光客にはガイドの同行が義務付けられているため、ガイド付き)で、体調に合わせてスケジュールを変更できてラッキーだったと思う。担当ガイドはこちらの体調不良でいったんキャンセルした観光スポットを後日隙間時間に入れてくれたり、毎朝体調に合わせてルートを組んでくれ、限りなくチベットを満喫できるよう奔走してくれた。

団体ツアーだったら、まわりに迷惑をかけないよう我慢して規定のスケジュールで観光してしまいがち。日本人は性格上、特に気を付けたほうが良いと思った。

ホテルのロビーに集合したトレッキングの団体のガイドが「私やっぱ行けないかも…」としゃがみ込む白人女性に「今日には順応するから大丈夫!君ならできる!」と参加させようとしている場面に遭遇した。
あの女性は大丈夫だったのだろうか。

ちなみにマウナ・ケア(4205m)に星を見に車で登った際は何も起こらなった。
「高山病は酸素が足りなくなってから6時間〜12時間後に発症する」という記述もあり、ほんの数時間の滞在だったから発症しなかったのかもしれない。

この年のハワイは、いったん予約したチベット旅行が中国の記念式典絡みで外国人はチベットへ立ち入り禁止となり、キャンセルするはめになり、急遽行き先をハワイにしたのだった。

ようやくリベンジできて、高山病以外は幸せ!

チベットの写真は後でアップしようと思う。

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西寧 2275m
タンラ峠 5072m
ラサ 3600m
富士山 3776m
マウナ・ケア 4205m

コメント

  1. りんこ より:

    エンブレル
    コアラさん、こんにちは!
    エンブレルを使って四年半、とうとう効果が無くなってしまいました。ずっと使えると思っていたのでショック。次の薬(オレンシア)が合わず、寝たきりに戻りました。コアラさんは何年くらい使ってますか?

  2. コアラ より:

    りんこさん
    こんにちは、レスが遅れてすみません。

    調べてみたところ、私のエンブレル開始は2012年5月でした。
    http://blog.goo.ne.jp/higekoala/e/a49fc1a12eb1e057fc19f4f594f073f3

    ということは、リンコさんと同じ頃ですよね。
    今のところ隔週のエンブレルで維持できていますが、たまに効き目が悪くなったように思う日もあり、不安です。
    平均どのくらいでエスケープするんでしょうね。
    今度医師にきいてみようかな。

    今は他にも薬剤があるとはいえ、せっかく効いていたものが効かなくなるって本当にガッカリですよね…。

    りんこさんはオレンシアは合わなかったとのことですが、りんこさんにぴったり合う薬が見つかることをお祈りしております。
    早く痛みが無くなりますように!

  3. きみちゃん より:

    ご無沙汰しております
    お久しぶりです。コアラさん、お元気そうでなによりです。エンブレルの効き目は、人それぞれですね。
    私はアクテムラを、もう五年使っています。
    いまの所、まだ効いているようです。
    知り合いには、副作用が強くてやめた方もいます。
    高いお薬代を支払って効果なしって、悲しくなりますね。
    今、笑いヨガをやっています。痛くても、笑うと痛みが少し楽になるかも?お試し下さい。

  4. コアラ より:

    きみちゃんさん
    コメントありがとうございます!
    仰る通り、高い費用に対して効果なしだったら本当に悲しくなりますよね。効かなくなるのも困りますし。

    笑いヨガ、面白そうですね。動画を見ましたが、元気になれそうです。笑いの効果は科学的にも実証されていますし。

    東京は少し肌寒くなり始めました。大阪はどうでしょうか?お互い体調管理、がんばりましょう♪

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