『「うつ」は炎症で起きる』という本

『うつ病は心の問題ではなく「体の炎症」が原因で起きている!?』というダイヤモンド・オンラインの記事が気になった。

若い医師はあるとき、リウマチ性関節炎と診断されていた女性患者がうつ病をも患っていることに気づいた。そのささやかな発見に気をよくした彼は、上機嫌で先輩医師にその旨を伝える。だが、先輩医師から返ってきた反応はきわめて淡白なものであった。「うつ病? そりゃ、君だってそうなるだろうよ」。

 以上は、本書『「うつ」は炎症で起きる』の著者エドワード・ブルモアが内科の研修医時代に実際に経験したことである。そしてそのエピソードは、うつ病がこれまでどのように扱われてきたのかをよく物語っている。それはすなわち、「うつ病のような精神疾患はすべて心の問題だ」という扱われ方である。「そりゃ、君だって関節炎のことで悩むだろうし、そうしたらうつ病にでもなるだろうよ」というわけだ。

 しかし、著者はいまやまったく別様に事態を見ている。その見方は、かつては自分でも「いかれている」と思えたようなものだ。著者曰く、先の女性患者は「リウマチ性疾患のことを思い悩んだせいでうつ状態になったとは思わない」。そうではなく、「もっと単純に、炎症性疾患にかかったから、彼女はうつ状態になったのだ」。つまり、じつは体の炎症それ自体がうつ病のおもな原因である(!)というのだ。

(中略)

実際、体で炎症反応が生じると、そこで放出されるサイトカインをとおして、その影響は脳にも及んでいると考えられる。その際にサイトカインは、(脳内のマクロファージともいえる)神経細胞のミクログリアを活性化させ、「脳の炎症」を引き起こす。そして、その結果大きな被害を受けていると考えられるのが、(扁桃体や前帯状皮質を含む)脳の情動ネットワークだ。だから、体に炎症が生じると、人は気分がひどく落ち込み、その行動が変わってしまうことがある。だから、炎症を原因として、人はうつ病になってしまうことがある、とそう著者は主張するのだ。

うつ病は心の問題ではなく「体の炎症」が原因で起きている!?
若い医師はあるとき、リウマチ性関節炎と診断されていた女性患者がうつ病をも患っていることに気づいた。そのささやかな発見に気をよくした彼は、上機嫌で先輩医師にその旨を伝える。だが、先輩医師から返ってきた反応はきわめて淡白なものであった。「うつ病? そりゃ、君だってそうなるだろうよ」。

詳しくは記事をご参照ください。

そもそもリウマチの発症は疲労やストレス、出産や感染症等が起因となるケースが多いと言われている。
そして、リウマチ患者は健康な人よりもうつ病やうつ傾向にある人が多いことも、様々な調査から判明している。

そりゃあ身体が痛くて生活が困難で将来への不安があればうつ傾向にもなるでしょ、と思うので、炎症がうつの「おもな原因」とは到底思えないけれど、マイナスの相乗効果で、よりうつ傾向が強くなってしまうならば理解できる。

本を読んでいないので中身が気になる…。

検索してみると、うつ病と脳の炎症の関係についての記事・論文は5年以上前からたくさん出ているようだ。さらに、うつ病だけでなく、アルツハイマーやパーキンソン病を含む様々な神経疾患と脳の炎症の関連が示唆されている。

うつも嫌だけど他の病気も嫌だなぁ…。

コメント

  1. あんこ より:

    いつも楽しみに拝見しています。
    私(40代)も母(70代)もリウマチです。母は全関節が変形し、障害者手帳を持っています。
    母が最近、老人うつになりました。幻聴があり家にいたくないため、毎日父親と外出し、むしろスラスラ歩けるようになっちゃいました。
    …むしろ、それがウツを悪化させてるかも?なんてふと考えちゃいました。

  2. koala より:

    あんこさん、コメントありがとうございます!

    お母様の件、大変ですね。
    スラスラ歩けるようになるのは良いことのように思えますが、いろいろ心配ですね。
    散歩のしすぎで関節や体調の負担にならないとよいですが、家でじっとしている方が心と身体に悪そうなのですし・・・

    持病がある場合、より一層、活動と休息のバランスを上手に調整することが大切になるので、私も日々考えながら過ごしています。

    長雨や気温の変化で関節や体調に負担がかかる時期ですが、あんこさんとお母様が気分良く過ごせることをお祈りしております。

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